||| 316L材 |||
海水他、各種媒質にSUS(ステンレス)304より優れた耐蝕性をもつ316の極低炭素鋼。316LのLはLow Carbon(低炭素)を表しているものです。

低炭素鋼である316L材は結晶の粒界に炭化物が析出した場合に生じる粒界腐蝕に対して効果を示します。一般の304より316自体が既に耐蝕性が高いが316L材は、より腐蝕性が強く、用途としては、化学タンク・染料タンク・製紙工場などに使用されています。
JISG0576のステンレス鋼の42%塩化マグネシウム腐蝕試験では、304に対して4倍以上の耐食性を有するという結果も判明しています。また、原料としては、普通の一般的な304が、たとえばキロ¥300だった場合、316L材には“鋼種エキストラ”がさらに¥100付くということでも分かるように、より割高な素材なのです。
||| ステンレスのお手入れ方法 |||
ごく軽い汚れの場合は、乾いた布で乾拭きする程度で充分です。水等で濡れた場合は必ず乾いた布で拭き取って下さい。もし、上記の程度ではなかなか汚れが除去できない時は、水道水で水拭き後、中性洗剤や石鹸水をスポンジや布に含ませ、拭き取るようにします。この場合は水洗いまたは水拭き後、清浄な布または乾いた布で拭いてください。
これらの手入れの際に使用する布類は柔らかいもの、そして拭き取る際は決してゴシゴシと擦らず、あくまでやさしく・・・ということは皮革の時と同様のお約束ですね。
||| ピジョン・ブラッド Pigeon Blood |||
  古代からルビーは美しさの象徴だけではなく、魔除けとしてまた貴重な秘薬として珍 重されてきました。古代のインドや中国で疫病の予防や肝臓の治療に用いられてきた という記述が残っています。また魔除けとして危険や災難から身を守るとも言われ る。
ルビーの色は、鳩の血の色(ピジョン・ブラッド)が最高とされ、最高級ルビーの代 名詞にもなっています。かすかに紫がかった見る者を威圧するほどの濃厚な赤。 希少価値はダイヤモンドよりも高く、最高級品のピジョン・ブラッドの産出国である ミャンマー のものはとても高価です。 そもそも、ルビーは赤いと一口に言ってもその色にはかなり幅があり、産地によって も異なります。一般にピンクサファイアに近いチェリー・ピンクはスリランカ産が多 く、タイ産は黒味が強くビーフ・ブラッドとも呼ばれます。
||| PLATINUM : プラチナ |||
プラチナは産出する国も少なく、南アフリカ(80%)とロシア(11%)で 世界産出量の9割を占めており、 年間産出量も金の1/25の150トン程 しかありません。しかも原鉱石のプラチナ含有量もごくわずかで、 細い小さなリング1つ(約3g)を作るためには約1トンもの原石が必要 になります。 このような限定された産出地と、 微量な含有量からも、現在プラチナは金よりもはるかに高価な 「貴金属の王」と呼ばれます。

プラチナは自動車産業など多くの工業用途にも用いられていますが、ジュエリー界ではその稀少性ゆえに、 純金さえしのぐ価値を保っています。金の場合テネシー州フォートノックスの米国連邦金塊貯蔵所 のような貯蔵所がありますが、プラチナにはこのような貯蔵所はありません。それはプラチナが 金ほど産出量 が無いためでもあります。金の年間生産高が1500トンであるのに対し、世界のプラチナの 年間生産高はたった160トンときわめて少ないのです。

プラチナは キズがつきにくく、優れた耐久性をもっています。ジュエリーに用いられる 貴金の中で最も丈夫で、融点が高く耐食性に優れ、化学物質に対する耐性も高いという 性質を持っています。

プラチナが“特有の高貴で重厚な輝き”を放ち続けられるのも、日常生活では酸やアルカリに 侵されたり錆びることもなく 熱にも強いこれらの優れた性質からで、長い歳月を経ても 変色、変質の心配がほとんどありません。 その気品あふれる白い色に加えて、希少性、純粋性、永遠性をも併せ持つプラチナ。 それは、本物だけがもたらす喜びと、満足です。 流行や、時代の流れに左右されることなく、年代、世代、時代をも超えて、 変わらぬ価値を宿しつづけるプラチナ。その本物感は、身に着ける人に自信を与えます。

||| レプタイル |||
reptile・・・爬虫類(または、クラッシック・レザー:classic leather、
エキゾチックスキン:exotic skin として認知されている。)
クロコダイル(ワニ)・パイソン(ヘビ)・リザード(トカゲ)・オーストリッチ(ダチョウ)・エレファント(ゾウ)・シール(アザラシ)等
特にこれら爬虫類の多くの皮革は、強靭な皮質と独特な立体的な表情で珍重されています。
これら、自然界からの贈り物は、身の回りを個性豊かなものにし、天然の確かな手応えと本物だけが放つ魅力にあふれているのです。


「どの稀少皮革(reptile)もユニークです。
自然は模写ということを知らないので、被造物はどれも他の被造物とは似ていません。
 ―――ヨーロッパの著名なファッション専門家は述べています。また、デザイナー達も飽きのこない“天然のクラッシック・レザー(reptile)”に常に魅せられ、高い緊張感を伴なったインスピレーションを与えられ続けてきた理由のひとつもそこにあるといいます。


そういえば、あのE・クラプトンのアルバム「レプタイル」のなかで、クラプトン自身この“reptile”を「クール」「カッコイイ」という意味で捉えていましたね。

ワイルドにしてエレガントなレプタイル製品を身につけると、胸踊るものがあります。それは、“品質”というものが人生において重要な一部を占めるものであるということを再認識させてくれる瞬間でもあるのでしょう。

||| クラフトマンシップ |||
マイスター達による究極のこだわり・妥協を許さぬ「プロの仕事」

あの人にしか出来ない仕事・ここにしかないもの・・・こだわり
本物の皮革製品を求めてヨーロッパを旅して回った際、特にドイツのものづくりに触れて感じたことは、車・電化製品・鞄から色鉛筆などのステーショナリーに至るまで・・・
ドイツ製品を一言で表現すると、「クラフトマンシップ」。
イタリアの大胆さやフランスのエスプリやシックさとは違うが、質実剛健を基に誠実に作られた製品は機能性抜群。また耐久性・性能も折り紙つきで、長く使ったりつきあうほど身体の一部になるほどになじんで手放せなくなる。繰り返し使いたくなる。徹底的につきあいたくなる。
製品ごとにある程度長く使えるということの理由のひとつには、飽きがこないということもある。細部に至るまで徹底的に練り上げられてにじみ出る品質の良さ。そして、手触りや使い心地といった面までがよく考えられて可能になった完成度の高さ。これがドイツ製品の最大の魅力であると考えます。私たちBELTZも少しでも近づくことが出来るよう日々の研鑚を重ねます。

||| 職人の手元 |||
手漉き : 個性的な凹凸のある本物の爬虫類素材は、部位により複雑に特性が異なり、機械で一律に厚みをコントロールできません。無理に漉けば、ミゾの深い部分や節目などの繊維は破れ、貴重な革が時計ベルトになることは不可能となります。そこで、熟練した「手」「指先」の感触による“手漉き” によって、個体ごと部位ごとに慎重に、ヘリ返しや密着部分の微妙な厚みを決めてゆくのです。また、ヘリ返しも専用の革包丁による手作業できめ細かく行われます。
定 ・遊革 : 皮革時計ベルトの中で最も傷み易いのがいわゆるワッパ「定革」「遊革」です。
ベルト本体同様、このパーツの「カットエッジ (切り目)仕立て」の場合、おのずと寿命は、より短くなる可能性が高くなるでしょう。
BELTZでは、表革のよりタフな部位を選び、「定革」「遊革」とも贅沢に裁断してへり返し、( この際にも手漉きの技術が必要 )さらに太目の糸でセイフティステッチを施しています。
また、特に超高級な背ワニには、背ワニ表革( 平坦な部分 )をへり返したその上に、さらに牛カーフ革を丁寧に圧着してから、太糸のセイフティステッチをかけました。
細かいパーツにも手間をかけ、あくまで機能 ・強度重視の作成を心掛けています。

||| 本物の吟味・見立て |||
天然の素材ゆえ、一枚一枚に歴史があり、それらに敬意を払いつつ・・・五感を総動員して、刻み込まれた「生きたあかし」を読んでゆきます。

「こいつは、こんな生き方をしたんだろうな。こういう風合いでよみがえらせてやろう・・・」高価な個体差のある革の選別、原料皮を一枚一枚吟味してゆく時の緊張感が、製品の完成像への期待感となり、言いようの無いよろこびに変わってゆく瞬間です。
原皮の吟味から、加脂、仕上げに至るまで細かく注文を出しての革の調達から、「コブ」「斑」の裁断指定にいたるまで、細部にわたり打ち合わせ・テストを重ね、素材の個性を最大限に活かすよう努力をはらってます。


革は人間と同様に、成長するにつれ硬く丈夫になり、同時に柔軟性、しなやかさ、きめ細かな美しさが失われていきますが、BELTZでは、良質な時計ベルトに求められるこれらの特性が失われることのないよう、代表的なワニ革製品は、生後1年前後の小ワニのみを使用しています。
BELTZの爬虫類原皮は全て、原産国、輸出入国がワシントン条約を遵守して完璧に管理された正式ルート品のみです。一本たりとも不正な品物はございません。ハイクラス品を望まれるお客様には是非ともご認識して頂いた上で、安心してご使用下さい。

||| オイル仕上げ |||
BELTZでは、通常のクロコダイル(肚ワニ背ワニとも)・パイソンにさらに複雑な工程と手間を重ねることにより、テカテカ光らず、落ち着いたしっとりとした「マット感」を実現させることができ、また、たっぷりなオイル仕上げが防水効果もより高め、さらにテクスチュアの際立つ洗練された重厚な質感の素材に仕上がりました。
これが、ご使用につれ醸し出される『本物の皮革の“味”』を引き出すのです。
初めのうちはマット調ですが、使ってゆくうちに、高級レプタイルならではの独特の深いツヤが出てくるのが魅力です。

||| 裁断 |||
ハードな厚み(肉盛り)と美しいへり返しの仕上がりを決定する贅沢な裁断は、従来の時計ベルトにはない、まさに「立体裁断」の域。
加えて、三つ山・甲丸タイプでは、時計厚及びベルトのセンタートップの厚みを考慮し、通常の時計ベルトよりも長い6時側:120mm×12時側:80mmでご用意いたしました。へり返し仕立てとともにさらに大きな面積で革の裁断を行っています。

||| 仕立て |||
より日本の気候に合った仕立て・・・ヨーロッパで主流の「カットエッジ(切り目+コバ塗り)バンド側面が切りっ放し、もしくはこれに高周波などで処理したもの」という仕立ては、カバンやバッグなどの仕上げには私も好きで愛用していますが、こと動きが激しく、肌に直接触れる時計ベルトとなると、いくら柔らかく仕上がったとしても首をかしげざるをえないところがあります。日本の湿度の高い気候には、その端正で高度なコバ塗りも形無しで、コバの剥がれからの汗や水分の浸潤・汚染は、早々とまた確実にベルトの寿命を縮めてしまうことが少なくないようです。

へり返し仕立て: 表革で芯材を巻き込むように包み、裏材料を密着させる。他の仕立てと比べ、表革の使用面積も最も大きく必要で、特に爬虫類素材の場合、「漉き」や、へりを「返す」手作業の手間とも含め、非常に贅沢な仕立て。
(BELTZの標準仕立て例にもとづいています)
フランス仕立て: 裏材料で芯材を巻き込むように包み、表革を密着させる。表革に固い「コブ」や「ウロコ」があったり、又は、「シワ」の深い素材にソフトなフィット感を与え、素材自体の「持ち味」を活かす仕立て。背ワニなどの場合、表革の漉きの段階で「手漉き」が不可欠なので技術と手間でも最高クラスが要求されます。
(BELTZの標準仕立て例にもとづいています)

||| 本物の革の価値と魅力 |||
動物も人間と同じで、成長する過程で、「個性」がでてきます。同じ環境で育ったとしても皮質の硬いもの、キズやケガを負うもの、シワの深いもの、浅いもの・・・「生きた経歴」は、一匹一頭すべての個体が違います。
また、一枚の革でも、全く同じ部分はありません。腹や胸の部分は、胃や肺の働きに合わせ柔らかく伸び縮みしやすくできており、腰や背の部分は、外敵や厳しい環境から身を守るため、固く厚くなっています。

このような天然皮革の不均一性は、均一にコピー量産される型押し革や、人工繊維に比べ経済性・合理性といった観点からみれば欠点とも言えるところですが、これこそが、どれ一つとして同じものが無く、人間同様、生きた証、あたたかい「個性」を主張する本物の革の最大の魅力なのではないでしょうか。
||| すぐに役立つ皮革の知識 |||
■ホンモノとニセモノの見分け方

ワニ革製品の「節」

自称ワニ革、自称ハチュウ類が巷にあふれています。

最も簡単な判別方法は・・・例えば、一番高価とされるクロコダイルいわゆるワニ革製品の場合。「節」「鱗」(私達業者では「斑」と呼ぶことが多いのですが・・・)時計ベルトなら、ベルトをギュッと指で内側に曲げてみます。
ホンモノは、人間の関節や指の甲のシワのように、その「節」の部分の間隔(=繊維)が一気に開き、指を離すとゆっくりと元に戻ってゆきます。
要は、生き物なので当然のことながら、動きに合わせて伸縮自在なわけです。
これに対し、ニセモノ(いわゆる「型押し」など)は、いくら曲げてみてもスタンプのような「型押し」ゆえ、「節」や「斑」の間隔が伸びたり縮んだりという事はほとんどありません。

誠にシンプルですが上記の方法で判別に失敗したことはないので掲載しました。皆さんもホンモノ・ニセモノをお試しになってはいかがでしょうか。

型押しとは、一般的に、牛や豚などの廉価な素材の任意の部分に、ワニやトカゲなどの最も価値のある部分を効率よく表面に印刷するような技術なのですが、特によく出来たものは、素材感をより安く手軽に味わえるという点ではお勧めできます。
ベルトひとつで時計の表情もガラリと変わりますからね。

ちなみに最近では動物の革にではなく、ゴムや樹脂に精巧に型押し印刷されたものなど、それはスゴイ「出来」のものも目にします。先日見つけた匠の技を感じさせるほどのシンセティック・レザーには、鑑定の専門家も立場を忘れて、顔を紅潮させ唸っていたものです。

ここだけの話ですが、そんな時の判断材料の一つとして「ニオイをかいでみる」なんてアナログなワザも使いながら見極めることもあるのです。このニオイはクロコ・・これはオーストリッチ・・これは牛・・・・といったように。
お客様に本物だけをお届けしたい・・・まさに五感をフルに使って、無骨に吟味を重ねているのです。



植物タンニン剤:
草木の中に含まれるタンニン(渋)をコラーゲン(皮タンパク)に結合させてなめす方法。 植物の樹皮などより抽出したタンニンを主成分とする「なめし剤」で、通常抽出液を 濃縮・乾燥したもの(植物タンニンエキス)が用いられる。このタンニンは、収れん性が あるので腐敗しやすい「皮」を耐久性のある「革」に変える性質=なめし効果を持っている。

植物タンニンによるなめしは、古くから行なわれている方法で、現在はワットル、ケブラチヨ、チェスナットなどが使用されている。タンニンは皮への浸透が遅いため、クロムなめしに比べてなめし時間がかかる。



ヒルシュ カウチューク:
天然ゴム 木の涙 Caoutchouc(現地語で cao =木、ochu=涙)
は紀元前2世紀前から、中央、南アメリカの 古代文明によって使用されていました。その撥水性も良く知られており、マヤ文明では 物質のみならず、生足にも天然ゴムを塗っていたと言われています。 ヒルシュカウチュークは、原料パラゴムノキより抽出した樹液(乳液)を形成して作り、 従来の皮革ベルト作成における製造工程とは異なり、なめし工程、染色等に使う薬品は 使用していません。 (1本のパラゴムノキから1日約30〜50グラムの乳液が採取できます。 例えば、高品質サンダル等1対の天然ゴムのソール(底部分)を作るために、 約20〜30本分以上のパラゴムノキの乳液を必要とするとも言われ、 非常に貴重な天然材でもあります)
従来のウレタン等時計用人造ベルトは、硬化し易く、色褪せも否めず、 また柔軟性に欠ける傾向により着用感も今ひとつである場合も少なくありません。 ヒルシュカウチュークは、形が崩れにくく、紫外線や汗等の外部影響にも耐性があります。 お手入れ不要のイージーケアで、低めの温水や水につけて石鹸で洗うだけで充分です。

参考: 環境基準に厳しいヨーロッパの品質管理のもと 多くの一流時計メーカーも「ナチュラルラバー」を自社製品の純正ベルトとして 採用しています。
【相違点】ウレタン製品に比べ天然ラバーは・・・
・ 経年劣化を起こしにくく、ウレタンに比べ硬化しにくい。
・ 弾力性が違うため、肌触りが違う。
・ 発色が良く、鮮やかな色合いを出せる。
以上の理由で、 スイス、ヨーロッパの一流メーカーは競って天然ラバーのベルトを自社製品の 純正パーツとして採用しています。

||| ミクロの世界での鑑定 |||
SEM:Scanning Electron Microscope 走査電子顕微鏡
爬虫類(ホンモノ)の繊維
【 爬虫類(ホンモノ)の繊維 】

ブロック状に、または、レンガを積んだように規則的に配列。
型押し革(ニセモノ、いわゆる爬虫類の型押し)の繊維
【 型押し革(ニセモノ、いわゆる爬虫類の型押し)の繊維 】

不規則(ランダム)に、決まった秩序がなく絡んでいる。
下側にゆくほど繊維質が太くなる。そして、型押ししているので、
繊維間の間隔がなく、圧迫されて詰まった断面になっている。

||| 合成皮革と人工皮革の違い |||
皮革様素材の分類

ビニールレザー(Vinyl-Leather)
織・編み布地に主としてポリ塩化ビニールで表面加工したものが多い。発泡・非発泡タイプがあるが、いづれも通常の方法では透湿性は得られない。安価で製法も簡単で、多量生産されており、用途として椅子張り・車両内装(インパネ)・その他雑貨用として種類は多い。

合成皮革(Synthethic-Leather)
織・編み布地にナイロンやポリウレタン樹脂で表面加工したものが多い。加工方法として乾式タイプ、湿式タイプ、湿乾タイプに区分される。これら樹脂の湿式法による皮膜は、連続多孔構造になり柔軟で透湿性が得られる。ビニールレザーと比べ性能が良く差別化されている。用途として一般靴・鞄・袋物・衣料などが多い。

人工皮革(Man-made Leather)
繊維が三次元に絡まった不織布(Nonwoven Fabric)に弾性重合体(ポリウレタン)を含浸し湿式法で凝固しミクロ多孔構造とし、銀付タイプやスエードタイプに表面加工を施したものと定義される。本革の構造に近似しており、性能も優れ合成皮革と差別化されている。繊維の極細化と加工の高度化により衣料用にも展開でき、その他用途も拡大しつつある。

||| ワニ |||
クロコダイル、アリゲーター、カイマンの3種に大別されます。いづれも古くから高級皮革として珍重されていますが、ワシントン条約などによって保護され、現在、原皮の供給は飼育下のものに限られ稀少なものになっています。ワニ革は、ウロコの模様に魅力が集約され、同じ一枚の中でも部分により表情の違いが楽しめます。固く加工が困難なため最近はあまり利用されていませんが、ウロコの突起(コブ)が高く立体的な背中(BELTZオイルマット背ワニ)、四角形のウロコが整然と並ぶ腹部、小判型のウロコが柔軟性に富んでしなやかな風合いをもつサイド(腹側部)などそれぞれ異なった魅力を放っています。

||| ニシキヘビ |||
斑紋の美しいヘビ革の中でも、東南アジアに生息するダイヤモンド・パイソン(アミメニシキヘビ)は特に有名で、大きいものは10m近くにも達する大蛇のひとつです。美しいダイヤ型の連続模様を持ち、革質もヘビ革の中でも肉厚で丈夫なため、最良の素材です。また、背面は細かく緻密に並び、腹部へゆくに従って大きくなるそれぞれのウロコの表情を活かすため、背割り(Back Cut Type)・腹割り(Belly Cut Type)の両方を使い分けています。

||| ヨシキリザメ |||
Prionace glauca:ネズミザメ目メジロザメ科英名blue sharkの示すとおり、からだの背側面は鮮やかな青色で、腹面は白色。ほっそりした体、長く尖った吻、丸く大きな目、長い胸びれが特徴。全長は最大で3.8mくらいになる。太平洋、インド洋、大西洋の温・熱帯海域に分布し、主に表層で活動するが、えさを求めて水深500mあたりまで潜行することもある。しばしば群れをつくり回遊する。アメリカでは赤道を横切って6,000km近くも移動したことが確認されている。体をくねらせる独特の泳ぎ方で、小型の魚類、イカ等を捕食する。外海に生息する種で、生きたまま入手することは難しく、飼育も困難であるため、水族館等でもその姿をみることは希である。

|||テジュー|||
Tegu:Tupinambis nigropunctatus
リザードの一種で、Tegu-Lizard(テジューリザード)と呼ばれるトカゲの高級人気種。

マット等加工前は、光沢のある鱗で覆われ、黒と白の不規則な模様がある。腹部の長方形をした鱗は、他のトカゲに見られないボリューム感を持っっているところから、背部を割いて腹部を活かしたBuck Cut Typeが多投されて いる。用途としては、アメリカのカウボーイブーツや時計ベルト等に利用される。南アメリカ一帯に生息している。